西サハラ問題
会議設定
議題:西サハラ問題(Question of Western Sahara)
議場:第36回国連総会 第70回全体会合
史実決議:A/RES/36/46
設定日時:1981年11月24日
使用言語:公式討議/非公式討議/決議=国連公用語・日/日/日(動詞のみ英語併記)
会議参加国数(予定):28(27か国+1団体)※変動する可能性あり
募集人数(予定):35人
フロント
会議監督 | 井上寛隆(四ツ谷研究会神メン)
議長 | 宮本緋夏(四ツ谷研究会神メン)
秘書官 | 樋口実波(早稲田研究会神メン)
秘書官/報道官 | 小野雅崇(京都研究会神メン)
参加者へのメッセージ
皆様こんにちは。「西サハラ問題」会議で会議監督を務めている四ツ谷研究会神メンの井上寛隆です。まずは当会議に興味を持ってくださり、ありがとうございます。あまり見かけない議題かとは思いますが、丹精込めて会議を作っているので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
さて、模擬国連という活動をやっていると多くの人がぶつかるであろう悩みがあります。それは「自分、模擬やっていて楽しいのかな?」「模擬に向いてないのかな?」といったものです。かくいう僕もその1人でした。特に、旧メンの前半期は「何をやっても上手くいかない!!!無理!!」という感じで悶々とした日々を過ごしていた記憶があります。
僕はこうした悩みが出てくる原因の1つに、模擬国連の「正解」を導く議論が挙げられるんじゃないかなと思っています。「インフォーマルの意義は何か?」「よい会議とはどのような状態か?」「模擬国連はどうあるべきか?」…色々な議論が模擬界隈ではなされています。こうした議論は、模擬国連を受け継いでいく上で重要な議論です。一方で、必ずしも誰もがこうした議論に参加しなければならない訳ではありません。
多様な楽しみ方やコミットの仕方が魅力の1つである模擬国連活動が、特定の「あるべき姿」に収束しようとした結果、それ以外の関わり方が制限され「あるべき姿」に悩んでしまうもぎこっかーもいるのではないでいしょうか。
ぶっちゃけ模擬界隈では少数派かもしれませんが、僕は「演劇的」な模擬国連が大好きです。そんな人間が全日のディレクをやるなと怒られてしまうかもしれません。でも、僕は自分がやりたいことを存分にやることの方が何倍も大事だと声を大にして言いたい。せっかくいろんな楽しみ方がある活動なんだから、自分がやりたいことに思いっきり打ち込めばいいじゃないですか。
そうして、自分がやりたいことを直向きに頑張っていれば、その姿勢は自然に「あの人すごい頑張ってて、楽しそうだな。自分も頑張ろう」と周囲の人に伝播していくものです。僕は、この伝播こそが模擬界隈を発展させていく原動力になると信じています。そして、僕たちフロントはこの伝播の原点となる「自分のやりたいことに全力で取り組める環境」をこの会議で作ります。
当会議の議題である西サハラ問題は、国際社会に存在する様々な問題が複雑に絡み合った、いわば国際政治の詰め合わせセットのような議題です。知れば知るほど、考えれば考えるほど、砂(沼)にハマる議題になっています。ぜひ皆様には、この面白さに、足を取られる経験をしていただきたいです。
自分が体現したい「模擬国連」の模索という旅路は、時につまずいたり、道を見失ったりと辛い経験をもたらすかもしれません。しかしその長い道のりを超えた先には、自分がまだ見ぬ新しい景色が広がっているはずです。いつか振り返った時、大切な思い出として記憶に残る会議を僕たちと一緒に作りませんか?皆様のご参加をお待ちしております。
四ツ谷研究会 井上寛隆
会議コンセプト
Embodiment
皆さんは「模擬国連」をどのように捉えているでしょうか。あるいは、どのような点に楽しさを見出していますか。
「史実の検証」「戦略ゲーム」「国家思想の再現」「社会問題の議論」──。
会議設計並びにコンセプト設定は、昔からのコンビである(?)会議監督と議長の“とある疑問”を起点としています。それは「フロントの価値観によって大使の思想や戦略に制約が課されて良いのか」という問いです。模擬国連を構成する要素の捉え方や模擬国連における目標への挑戦手段は、もぎこっかーの数だけ存在し、そのいずれにも「確かな正解」は存在しません。
模擬国連を「Embodiment=体現」するための手段に制限はなく、その手段を模索・試行する過程に模擬国連の醍醐味があると我々フロントは考えています。ここには当日の会議戦略のみならず、先述した「模擬国連をどのような側面から捉え、実際に会議行動に落とし込むか」という、より大きな「手段」までもが包含されます。参加者の皆さまには、ぜひ自身の模擬国連を「Embodiment」できるよう、手段の模索という険しくも魅惑的な旅路への一歩を踏み出していただきたいです。
当会議ではそんな皆様の旅路が更に刺激的なものとなるよう、とりうる手段の多様性を担保し、フロントからの思想的・会議設計的制約の“限りない排除”を試みます。それに加え、参加者が無意識に狭めてしまいがちな選択肢を広げるサポートをフロントが行います。当会議の会議監督と議長は、西サハラ問題に大学生活の貴重な3年間を捧げてしまった背景を持ち、一つの議題にこれほど向き合っているフロントは他にいないと自負しております。大使の皆様の新たな気づきと、それによる選択肢の拡張の一助になれることでしょう。
模擬国連の楽しみ方や体現方法を自由に模索したい方も、既に自身の体現方法を持っておりそれを発揮したい方も、ぜひ本会議へお越しください。
議題解説
西サハラ問題は、スペインの植民地であった西サハラから1976年にスペインが撤退して以降、現代に至るまで解決していない脱植民地化問題です。隣接するモロッコが西サハラを自国の領土であると主張している一方、民族解放組織「ポリサリオ戦線」を中心とする西サハラの独立を主張する人々は「サハラ・アラブ民主共和国(SADR)」の樹立を宣言し、両者は対立を繰り返してきました。(隣接するモーリタニアも同様に領有権の主張を行っていましたが、1979年にその主張を撤回しています。)
この問題について、国連では現代まで半世紀に及ぶ議論が続いています。国連は西サハラ問題の解決に一定の関与を続け、1991年にモロッコとポリサリオ戦線の間で停戦が成立しました。これを受けて、停戦監視と住民投票の実施を目的とした国連PKO「国際連合西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)」が設置されましたが、様々な問題から未だに住民投票は実施に至っていません。
当会議は、上述した停戦が実現するきっかけとなる決議が採択された、1981年の国連総会における西サハラ問題の議論を扱います。1981年6月に当時のモロッコ国王であったハッサン2世が西サハラにおける「住民投票」の実施を受諾したことで、それまで停滞気味であった国連での議論も大きく変わりました。史実決議では「モロッコとポリサリオ戦線による、即時停戦と住民投票を行うことを目的とした交渉」を行うよう要請したほか、国連事務総長に対して「国連が住民投票の組織と実施を確保することができるよう必要な措置を講じること」を求めるなど、西サハラ問題の解決に向けたいくつかの施策が示されています。西サハラ問題にとって、この決議は1つの転換点となったのです。
脱植民地化問題、領有権問題、地域紛争、冷戦、資源問題…様々な問題が複雑に絡み合った西サハラの地を、あなたならどう解決に導きますか?
論点解説
【論点に関する会議設計について】
当会議では特定の論点を設けない「オープンアジェンダ制」を採用しています。論点やTTといった議論進行方針について、フロントから提示はありません。そのため、参加者の皆様には、議論進行方針を決定するべく大会1日目の時間を使って議論議論を行っていただきます。議論議論は以下の流れで実施する予定です。
① 議論進行案の提出を希望するデリが、会議開始前までに議論進行案を提出する。
② 事前に提出された案をもとに、会議1日目で議論議論を実施する。
③ 最終的な議論進行案を会議1日目が終了するまでにフロントへ提出する。
(会議1日目終了直前に議論進行案の提出〆切を設ける予定です。)
④ 提出された議論進行案が採択された後、実質議論に移行する。
なお、議論進行案提出〆切時に複数の案が存在した場合には、手続き投票によって議論進行案を決定し、議論進行方針が決定されない事態を防止する会議設計を採用しています。
【想定される争点について】
どのような議論がなされるかについては様々な可能性がありますが、私たちは以下の点が争われると想定しています。
A.西サハラにおける現状について
▶︎西サハラの現状についてどのように認識しているか、また過去の議論や決議内容はどのように解釈できるかについて議論されると想定しています。
① 現在、西サハラはどのような状態に置かれているか?
② これまでに、国連やアフリカ統一機構(OAU)はどのような対応をしてきたか?
B.「住民投票」に関する自決権の議論
▶︎「住民投票」の実施については合意がなされているものの、その性質や法的裏付けは何か、またどのような形態で実施するかについては一致した見解が存在していません。そのため、これらの点を深掘りする形で議論が行われると想定しています。
① 「住民投票」はどのような性質を持つか?
(外的自決or内的自決?といった議論が想定されます。)
② 自決権の行使主体の範囲は誰か?どのように選定するのか?
③ この問題の当事者は誰か?
④ 「住民投票」はどのように実施されるべきか?
C.今後取るべき措置について
▶︎「住民投票」を実施するためのプロセスについて議論がなされると想定しています。
① 「住民投票」の実施のために国連が行うべきことは何か?
② 「住民投票」の実施のために当事者がやらなければいけないことは何か?
国割
【国連加盟国】
Algeria※
Central African Republic
Chile
Egypt
Equatorial Guinea
El Salvador
Ethiopia
France※
India
Indonesia
Kuwait
Libyan Arab Jamahiriya
Mauritania
Morocco※
Mozambique
Pakistan
Portugal
Senegal
Spain
Sweden
Tunisia
Union of Soviet Socialist Republics
United Kingdom
United States of America※
Upper Volta
Yugoslavia
Zaire
【請願人】
Frente Popular para la Liberación de Saguia el-Hamra y de Río de
Oro(Frente POLISARIO)
【備考】
・※印の国はペアデリでの参加を推奨しています。(ペア指定ではありません。)
・会議設計の調整や参加人数等の影響で、国割の一部が変更になる可能性があります。
会議の特徴
当会議の特徴として、主に以下の3点が挙げられます。
1点目は、西サハラ問題という議題が持つ性質そのものです。西サハラの脱植民地化を巡るこの議題は、自決の問題のみならず、領有権や資源を争う議論など、様々な問題が絡み合うことで議論や交渉を複雑化させています。さらには、冷戦下での西サハラの位置づけや、地域ごとにみられる西サハラとの関わり方の違いなど、見方によって性質が全く異なってくることも大きな特徴です。「国際政治の詰め合わせセット」と形容してもいいほどにこの問題は奥深く、それゆえ取りうる選択肢が多様で「参加者自身が体現したい『模擬国連』」を模索するにふさわしい議題となっています。
2点目は、議題の性質を踏まえた自由度の高い会議設計です。「模擬国連」の模索を行うにあたり、多様な選択肢が確保される設計を意図しています。取り組みの一環として、フロントから論点やTTといった議論進行方針を提示しない「オープンアジェンダ制」の採用が挙げられるでしょう。フロントが議場の動向にできる限り影響を与えないような設計とすることで、参加者の考えるあらゆる選択肢を排除しない工夫をしています。
3点目は、多様な手段の模索を後押しするフロントの手厚いサポートです。当会議では、メンターを「参加者の考えを一緒に深めたり、別の視点や手段を模索したりする機会」と位置づけています。メンターを含む様々な場面で、各フロントの異なる価値観や経験を活かし、皆様自身の「模擬国連」について包括的に、そして存分に模索できる環境をご用意します。また、当会議の会議監督と議長はそれぞれ大学において西サハラ問題に関する研究を行うなど、この議題に長期間向き合ってきました。そのため、議題に対する見方や国益設定、会議戦略といった点で、デリとして取りうる手段の幅を広げるサポートも惜しみなく行っていきます。
当会議は参加者が自分のやりたいことを実践しやすい環境と、躓いてしまった時でも再び前へ進める体制の双方を提供することで、皆様自身が体現したい「模擬国連」についてじっくり向き合える会議となっています。
対象とする参加者
会議経験が少なく自分なりの模擬国連を模索したい方も、逆に経験豊富で実力を試してみたい方も大歓迎です。当会議の議題やコンセプトに惹かれた方、模擬国連を全力で楽しみたい方、愉快なフロント陣とお話したい方、ぜひお待ちしております。