NPT会議
会議設定
議題:1995年NPT運用検討・延長会議
(The 1995 NPT Review and Extension Conference of the Parties to the Treaty)
議場:1995年4月17日~5月12日中に行われた関連する一連の議場
史実決議:
- NPT/CONF.1995/L.4
- NPT/CONF.1995/L.5
- NPT/CONF.1995/L.6
- NPT/CONF.1995/L.8
設定日時:1995年4月17日~5月12日
使用言語:公式討議/非公式討議/公式文書=日本語/日本語/日本語(決議案の動詞は英語を付する)
会議参加国数:25カ国~30カ国程度
募集人数:25人~30人程度(原則、シングルデリでの募集)
フロント
会議監督 | 藤田高広(神戸研究会神メン)
議長 | 六代深尋(早稲田研究会神メン)
秘書官 | 石毛菜々美(日吉研究会神メン)
秘書官 | 中野愛那(京都研究会神メン)
参加者へのメッセージ
こんにちは。本会議にて会議監督を務めます、藤田高広と申します。
本大会のHP、本会議のHPにアクセスしていただき、さらには会議監督からのメッセージをご覧いただき、ありがとうございます。
この挨拶をご覧になっているということは、本大会やその中でも本会議への参加を検討してくださっているのではないでしょうか。そうだという方もそうではないという方も、一旦これらの質問に対して自分なりの答えを考えてから、続きのメッセージを読んでくださると幸いです。
- 私たちが取り組んでいる「模擬国連」とは何なのか
- あなたが会議に取り組む上で持っている目的意識とは何なのか
- あなたが考える模擬国連の理想像とは何なのか
…考えていただけたでしょうか。というのも、ここからのメッセージではこれらの問いに対する私なりの考えに触れます。もし私の考えとあなたの答えが似ているものであるならば、どうか前向きに私たちの会議を検討してくださると幸いです。もしも、あなたの答えがまだ見つかっていないのならば、これから述べる私なりの考えにどれくらい共感できるかを意識しながら、読み進めてもらえたらと思います。それでは、私なりの考えを示したいと思います。
大前提として、上述した問いに対する答えは無数に存在すると考えています。言ってしまえば、人には人の模擬国連像があるということです。そんなことは百も承知だという方も少しだけ立ち止まって考えて欲しいことがあります。それは「“競技”としての模擬国連にあまりにも執着してしまい、自己の国益の最大化のみに固執してしまっていませんか」ということです。
確かに、各国大使はその国にとっての利益を追求し、会議の最後までそのために行動し、そうして作成された成果文書の価値もまた、その国にとっての利益に叶うものかどうかを踏まえた上で、評価されるものです。一方で、各国大使を含む外交官は「国際問題を解決するために議論や交渉を行っている」のであり、言い換えれば自国だけでは解決できない問題を国際社会全体で考える必要があり、そのために会議が開催されているのではないでしょうか。それを踏まえると、外交官にとっては国としての利益だけでなく、「国際社会の利益」も存在するのではないでしょうか。実際に国連や類似のレジームでは、純粋に自国の利益のみを追求するのではなく、より良い国際社会のための利益も考慮されているのではないでしょうか。
この考えを踏まえ、私たちの会議では「国益と国際社会の利益の調和」をテーマとし、参加者の皆さんには自国の利益と理想の国際社会のための利益の双方を考えながら行動して欲しいと考えています。後述しますが、私たちの議題である「1995年NPT運用検討・延長会議」とコンセプトである「和而不同」はどちらもこの考えに沿った、ピッタリなものだと感じています。
また、皆さんの中で、模擬国連を始めた当初の気持ちと比べて、国連という組織に対する期待感や模擬国連という競技に対して抱いていたイメージ(例:国際問題を解決するための思考法の一助)が変化してきてしまった人はいないでしょうか。確かに、国際社会は決して綺麗ごとばかりではなく、時にはドロドロとした現実に溢れています。そう考えれば、私たちの会議はある意味で理想を掲げているのかもしれません。しかし、私たちが取り組んでいることが“模擬”国連だからこそ、そういった理想を掲げ、それを目指すことが可能なのではないでしょうか。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。このメッセージや後述するコンセプト説明などを読んでみて、何かしら共感ができるポイントがあったすべての方のご参加をお待ちしております。
神戸研究会神メン 藤田高広
会議コンセプト
和而不同(和して同ぜず)
本会議のコンセプトは「和而不同(わじふどう)」です。このコンセプトは論語の子路篇の一節に由来します。「和して同ぜず」という書き下し文で聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。論語とは、儒教の経典である経書のひとつであり、朱子学の「四書」として孔子とその弟子たちのやり取りを記録したものです。「和而不同」の元となった一節の原文は「子曰君子和而不同小人同而不和」であり、大まかな意味としては「君子は他人と協調するが、安易に同調しない。逆に、小人は他人に同調するが、協調をすることはない。」という意味になるでしょう。
私たちはこの君子の姿に「デリとしてのあるべき姿」を見出しました。模擬国連では、多くの国が議場に集い、意見を交わし合います。その中で、一つとして同じ国は存在しておらず、それぞれの国がその国独自の利益を有し、会議に臨んでいます。つまり、自国の利益のためには主体性をもって自ら行動する必要があるでしょう。一方で、なぜ模擬国連では多くの国がわざわざ一堂に会する機会を設けているのでしょうか。それは、自国だけでは解決できない問題を国際社会全体で考え、各国の事情や対立を乗り越え、国際社会全体で1つの結論を出す必要があるからでしょう。
このように、理想のデリとは「自国の利益のために安易に同調はしない一方で、国際社会のために他国と協調しながら行動するようなデリ」なのではないでしょうか。これこそが、まさしく君子の姿と合致すると私たちは考えました。言い換えれば、「会議の成功を目指しつつ、しっかりと自国の利益を確保できるようなデリ」こそ、理想だと言えるのではないでしょうか。参加者の皆さんには、こうした私たちなりの理想のデリ像に向けて、会議に臨んで欲しいと考えています。
本会議では、上述したような会議像・デリ像を意識した上で議題選び・会議設計を行っております。より詳細な部分に関しては、会議の特徴も合わせてご覧いただけると幸いです。
議題解説
核兵器の不拡散に関する条約(通称NPT)とは、核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用の3つを目的とする、1970年に発効した条約です。現在、条約の締約国数は191の国・地域に達し、数多くの国が参加している条約の1つです。
第2次世界大戦中に米国が核兵器を開発したことをきっかけに、米ソを中心とする核兵器の開発競争が始まり、冷戦下の世界に核戦争の脅威をもたらしました。そこで、NPTでは米国、ロシア、英国、フランス及び中国を「核兵器国」とし、それ以外の国を「非核兵器国」として明確に区分しています。そのため、NPTは不平等性を有する数少ない条約の1つとされています。NPTでは核兵器国に対して誠実に核軍縮を行う義務(第6条)を規定し、非核兵器国に対して原子力の平和的利用が「奪い得ない権利」であること(第4条第1項)を規定しています。また、NPTが発効してから5年ごとに運用検討会議が開催されており、締約国が核軍縮や核不拡散などの実施状況を確認し、これから採るべき施策について議論を重ねてきました。その中で、1991年にソ連が崩壊したことで、米ソによる冷戦の対立構造が終結し、核兵器を巡る状況は新たな方向へと変化しつつあります。さらに、NPTの第10条第2項には「この条約の効力発生の25年後に、条約が無期限に効力を有するか追加の一定期間延長されるかを決定するため、会議を開催する。」という規定がNPTの起草の段階で定められました。この効力発生から25年後の会議こそが、この1995年NPT運用検討・延長会議なのです。
2度の世界大戦と冷戦の終結を経験した20世紀の終わりを迎える中、NPTという不平等性を有しながらも大量破壊兵器である核兵器を取り扱っている条約の将来をどのようなものにするのか。すべてはデリの皆さんの手にかかっています。
論点解説
本議題では議論議論(議論を行うための議論)を行うことを想定しており、フロントから一律での論点設定は行わない予定です。そのため、ここでは主要な争点について解説します。
①NPT体制の是非
議題解説で述べたように、本会議では不平等性を有するNPT体制の今後を決めることになっています。そのため、条約を延長するのかどうか、条約を延長する場合にはどれくらいの期間延長するのか(無期限延長なのか、追加の一定期間延長なのか)、延長する場合に何かしらの義務/条件が核兵器国および非核兵器国に課されるのかといった対立点が存在しています。
②中東地域における非核兵器地帯の設置
非核兵器地帯の設置とは、その特定の地域において核兵器の生産、取得、保有及び管理を禁止することを意味しています。1968年に発効したトラテロルコ条約が世界で最初の非核兵器地帯条約であり、冷戦期の核軍縮において有益な影響を生み出してきました。その中で、中東地域では核兵器や生物兵器、化学兵器といった大量破壊兵器の危険性が指摘されており、1974年の国連総会では中東非核兵器地帯構想を歓迎する決議が採択され、1988年には国連事務総長のイニシアティブで中東非核兵器地帯に関する具体的な検討が開始されました。NPT体制の将来を決めると同時に、最も重大かつ必要な非核兵器地帯に中東地域の国々は大きな関心を抱いており、国際社会がどのような結論を出すのかが期待されています。
国割
Algeria
Australia
Austria
Canada
China
Egypt
Finland
France
Germany
Hungary
Indonesia
Iran
Ireland
Japan
Jordan
Kazakhstan
Malaysia
Mexico
New Zealand
Nigeria
Norway
Philippines
Republic of Korea
Russian Federation
South Africa
Sweden
Switzerland
Ukraine
United Kingdom
United States of America
※募集人数でも記した通り、原則としてシングルでの募集となります。そのため、ペアを組んでアプライしたい場合にはペアを組みたい理由を明確にした上で、アプライ前メンターなどを通じて、事前にフロントに相談した上でアプライをお願いいたします。
※国割に関しては若干の変更、増減の可能性があります。
会議の特徴
1番大きな特徴としては、相手との調和のための交渉や議論が目指せる点です。詳しくは後述しますが、この議題はすべての国の安全保障と関わりがある核兵器を取り扱っており、成果文書を採択する際にはコンセンサスでの採択が求められます。
また、私たちは模擬国連とディベートの最大の違いは相手を論破することで勝ち負けが決まる種目ではない点だと考えています。交渉が成立する上で大事なことは、お互いが納得する形で双方にとって有意義な交渉が行えることであり、必ずしも相手を打ち負かすことが必要なわけではないでしょう。
では、交渉を成立させるうえで重要なことは何でしょうか。それは自国の主張だけにこだわるのではなく、相手の主張に耳を傾け、お互いの事情を知り、その上で相手との合意への道を模索することだと私たちは考えています。そのため、モデ/インフォーマルが「後先を考えず、相手を打ち負かそうとするために単なるロジックバトルを繰り広げる時間」ではなく、「最終的な合意を生み出すための交渉として、建設的な議論を行う時間」であることを参加者の皆さんには意識して欲しいと私たちは考えています。そこで、本会議では出来るだけ本議論に集中できるようなモデ/インフォーマルのあり方の工夫を予定しています。また、そうしたモデ/インフォーマルをアンモデ/コーカスにどのように生かすことで、最終的な合意へと辿り着くのかを考えられるような勉強会なども開催する予定です。
それ以外にも、「国益と国際社会の利益の調和」を目指せるような会議にするため、以下のような議題選び・会議設計を意識しています。
【議題選び】
①核兵器というどこの国にとってもインセンティブがあるトピック&NPT体制の今後を決めるという歴史的なターニングポイント
どこの国も、安全保障上の観点から切っても切ることができない核兵器というトピックを取り扱うNPTを選びました。また、会議が行われている1995年は冷戦が終了した直後ということもあり、各国の情勢が変化を迎えつつある時代でもあります。また、議題解説でも述べた通り、本会議の結果によってNPT体制の将来が決まります。しかし、核兵器に関する問題は、決して一国だけで解決できる課題ではなく、国際社会が連帯して1つの結論を生み出す必要があります。成果文書を採択する際にはコンセンサスでの採択が望ましく、そのためには各国の議論や交渉が必須です。
②適切な難易度
NPTと言えば、毎年どこかの研究会や支部の新歓会議の議題として用いられているように、議題の性質としては難解なものではありません。また、国際法の詳細な知識なども必要なく、メン歴や経験数で知識に差が生まれるようなこともありません。勿論、NPTが起草された当時の経緯やこれまでのNPT体制のあり方など、理解するべき事柄は数多く存在しているため、決して容易なものとは言えませんが、ある程度時間を割けば理解できるものが多いです。そのため、会議準備の中で議題理解だけで忙殺されることなく、国益設定や戦略策定といった自国の利益や相手との調和を目指す上での方法を模索することができる時間をしっかりと確保しています。
【会議設計】
①国割の当日発表
自分以外の人がどの国を担当するかは当日、議場でのお楽しみになります。これは、人読み会議になってしまうことを避けるためです。自分の国だけでなく、議場の他の国としっかりと向き合うことで、自国の利益や相手との調和の道を考えるきっかけにしてほしいと考えています。
②事前会合の廃止/事前交渉の制限
①に伴い、事前会合は行いません。また、事前交渉もフロントを介する形での会議進行案(TT/論点案)の提示のみを可能とします。「国益と国際社会の利益の調和」を目指す上で、事前交渉にどれだけ時間を割くことが出来るかという部分で、国ごとに差がついてしまうことは望ましくないと考えているからです。
③参加者に寄り添ったサポート
メン歴に関係なく、それぞれにとって必要なサポートを提供する体制を整えています。フロントメンバーは、これまでマイルドな姿勢で模擬に向き合いながらも、それぞれ様々な壁にぶつかってきた面々です。ひとりひとりが自身の経験を踏まえ、デリの皆さんに寄り添ったサポートをする予定です。会議当日に向けたメンターはもちろん、タスクや勉強会、会議後のレビューも含めて参加者の皆さんと共に会議を作りたいと考えています。
対象とする参加者
〇コンセプトに共感してくれた人
はっきり言えば、これに尽きると考えています。参加者へのメッセージやコンセプト説明、会議の特徴で提示した、私たちが考えている模擬国連像に取り組んでみたいと思った方には是非ともアプライして欲しいと考えています。メン歴や会議経験は問いません。フロント一同、参加者の皆様と一緒に「国益と国際社会の利益の調和」を達成できるような会議を作れることを楽しみにしています。ご不明な点等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。
連絡先:Twitter(新X)とInstagramの会議アカウントのDMまで。